渡邊啓貴 東京外語大学教授 2012.4.19
Hirotaka Watanabe, Prfessor, Tokyo University of Foreign Studies
研究会「権力移行期の世界⑤ フランス」
フランスの大統領選についての特徴や争点、主要な候補者のプロフィールや主張など話した。
司会 日本記者クラブ企画委員 坂東賢治(毎日新聞)
日本記者クラブのホームページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2012/04/r00024166/
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2012年5月号に掲載)
仏政権交代でも急激な変化はない
フランスのサルコジ大統領は、元モデルとの再婚など派手な行動で話題を振りまいてきたが、大統領選で対抗馬となったオランド前社会党第1書記は目立たない存在だった。国立行政学院(ENA)卒のエリートで党務が長いという経歴から堅物かと思っていたが、「庶民的な気のいいおじさんというイメージ」「大統領選への出馬を決意してから(ダイエットのため)チョコレートケーキを食べるのをやめた」という話を聞き、意外と親しみやすい人なのかもしれないと見方が変わった。
事前の世論調査を見る限り、5月6日の決選投票でオランド氏が勝ち、17年ぶりに社会党の大統領が誕生する可能性が高いようだ。サルコジ大統領とメルケル独首相が中心となってまとめたEU財政協定の再検討を訴え、原発への依存度を減らすことを公約に掲げてきただけに、政権交代の波紋は大きいと思っていたが、「それほど急激な変化はない」というのが渡邊教授の見立てだ。
それでもギリシャやスペイン、イタリアには、オランド氏の就任でEUの財政規律強化の流れが緩むとの期待感があり、結果として規律に厳しいドイツの孤立を懸念する声があるという分析は興味深かった。
一方、オランド氏の外交政策を予測するのはなかなか難しいようだ。ただサルコジ氏があまり関心を示さなかった対日関係では、「社会党の有力議員の中には親日家がいる」という。期待したい。
前回07年の大統領選で「フランス人のメンタリティを変える」と豪語して当選したサルコジ氏が、リーマン・ショックという「不運」に見舞われて失速した経緯や、社会党の中で長く裏方だったオランド氏が浮上してきた流れを、エピソードを交えてわかりやすく説明してもらった。改めて選挙後の分析も聞いてみたい。
毎日新聞外信部編集委員兼論説委員 大木 俊治
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